tanomu2006-10-21

もう何年になるのか、わたしは夏になると必ず
アルベール・カミュ著「異邦人」を読んでいた。
ここはアルジェでもパリでもない。
しかし、陽射しの強さを感じると
反射的にムルソーに逢いたくなる。


北アフリカの夏を、わたしは何度も経験する。
アルジェの太陽の熱を感じながら、
砂に足をとられながら、ただ歩く。
無機質な銃声を聞きながら、感情もないままに
何発もの弾丸を、無関係な人間たちに叩き込む。
そして、無関心に立ち去る。



アルジェの海は、自由で愉快だ。
そして死を意識しつつも、神を否定する。
・・・そんな彼をわたしは理解できているのだろうか。
実存の意味を考え続けてきたが、
やはりわたしは過剰な生き方しかできないのかもしれない。